論 考

英国下院総選挙事情

 イギリス労働党が12月12日下院総選挙へのマニフェストを発表した。3か月以内にEUと離脱条件を合意し、6か月以内に国民投票にかけるという。

 党首のコービン氏は、党内では圧倒的人気を誇るが、国民的人気はパッとしない。氏はEU懐疑派であり、労働党員の多数は残留派である。マニフェストがもう一つシャキッとしないわけだ。

 11月6日からの6日間で、保守党には献金が570万ポンド集まった。これは保守党首であるジョンソン首相の人気だという。一方、労働党は21.8万ポンドである。少数野党の自由民主党が27.5万ポンド、ブレグジット党が25万ポンドであるから、労働党の献金はいかにも少ない。

 金持ちが支持する保守党と、ケチな労働者が支持する労働党の資金力の差であるという見方もできるが、他の少数野党と比較しても少ない。集金力の差がそのまま選挙結果に出るわけではないとしても、目下は、保守党の意気が上がる事態になっているようだ。