論 考

仲間作り

 新聞の首相動静を見ると、首相として、政党首としての仕事に加えて、とくに夜の会食・懇談会などを使って仲間作りに精出している様子がわかる。これは歴代の首相と比較して群を抜いていると思う。

 それはそれとして、どんなことを話しているのかに興味がある。たとえば、昨日は、18時39分~平河町の中国料理店「上海大飯店」で、内閣記者会加盟報道各社のキャップとの懇談で20時52分富ヶ谷の自宅とある。

 かの桜を見る会で騒動している時期であり、新聞社キャップであるから、平記者のつたないぶら下がり取材ではなく、ここ一発の質問が出されたのであろうか。残念ながら首相動静の文字からは読み取れない。

 あるいは、内閣記者会加盟報道各社のキャップが、首相と懇談するのだから、首相に失礼があってはならないという暗黙の規範かなんかがあって、やあやあ、に始まって賑やかに歓談弾んで、取材のような「無粋」なことはやらないのであろうか。

 もし、そうだとするならば、この懇談会は単に人間関係を円滑にするためだけのものであって、下世話流ならば、仲間作りの流れにあることになる。ならばまったく締まらない、つまらぬ懇談だという結論になる。