論 考

大変な英国、冴えない日本

 イギリス総選挙は、いよいよBrexitの是非を再度問うことになりそうだ。極右のファラージ氏が立ち上げたブレグジット党が、ジョンソン氏の与党保守党議席がある選挙区には候補者を立てない。

 EU離脱では共同歩調をとる両党であるが、極右が保守を飲んで保守党議席を減らすともみられていたから、これで保守・極右ブレグジット両党がEU離脱で共同戦線を張る。

 となれば、残留派も選挙体制を整えねばなるまい。労働党は、まず自党勢力を拡大して、保守党から政権を奪い、改めてEU離脱是非を問う国民投票にかけることを呼号しているが、下手な戦略を取ると、労働党の議席だけが減って強行離脱に突き進むことにもなりかねない。大いに注目だ。

 こちらでは、桜を見る会の極めて単純明快な汚職問題批判が立ち上がった。季節外れのサクラ物語で、大昔の田舎政治丸出しである。そもそも、心を澄ませて花を賞翫するような諸君ではない。税金でお仲間うちのお遊びである。招くほうも招かれるほうもなんともはや無粋だ。

 「咲いた桜になぜ駒つなぐ、駒がいさめば花が散る」という俗謡もある。こんな問題で騒動の原因を作る輩に首相は似合わない。日英同盟から117年、依然として日本的政治はお粗末である。