日々道楽

欧州の未来

 マクロン大統領が、「NATO脳死発言」をしたのが波紋を呼んでいる。

 直接的には、10月にトルコがシリア侵攻した際に、米・欧州間の意思疎通を欠いたことだが、マクロン氏が過激な発言をした背景には、トランプ氏に対する不信感がある。トランプ氏に対する不信感はマクロン氏だけではなく欧州の政治家は誰もが共通しているはずだ。

 マクロン氏の提案は欧州が軍事同盟や軍事力において米国頼みを止めて自立しようというにある。

 思い出す。1962年以来、米ケネディ大統領が経済・軍事両面にわたって欧州に対するリーダーシップを発揮しようとした。仏ドゴール大統領は、「(米国が)欧州に意思を押し付ける」と危惧を表明した。ドゴール氏は、欧州が米国のヘゲモニーから独立しうるか。欧州独自で政治的・文化的な使命を果たしうるか、を問題にした。

 当時はまだEUは存在しないし、欧州の米国に対する評価は当時といまは正反対である。マクロン氏の見解の奥には、米国大統領がトランプ氏と交代しても、かつてのような超大国として君臨する力はないと考えているのではないか。

 目下の欧州はマクロン発言に対する反発が強いが、ドゴール氏の時代とは異なって、長期的には欧州がさらに結束して独自色を強めるように推測する。