論 考

恥を知らない

 政府や与党が——といっても、たまたま議会で答弁する立場にある諸君であるが——質問に対し真摯・率直に回答しない。

 これは人間性としては、彼らが、自己の意見の無謬性を仮定しているのである。ならば、質問に対しては、堂々と説明して理解を得ればよろしい。

 ところが、しっかりした意見ではないから説明したくない(できない)のであって、結局、目下の議会での彼らの態度は、自分たちの主張が妥当ではないことを証明しているのと等しい。

 もう1つ、彼らの態度を政治的にいうならば、議会において「問答無用」を貫いているのだから、議会そのものを否定しているのである。

 いかに与党が多数を占めているといえども、議会を否定しているのであるから、彼ら自身が議員たることを否定しているのでもある。

 「非」議員による議会ジャックである。なんたる程度の低い、かつ悪質な政府与党であったか、と後世にその汚名を残すのは疑いない。