論 考

臭気は元から絶たなきゃ

 本日の社説、経産相辞任について、「規範意識の欠如が目に余る」(読売)、「政権のおごりの帰結だ」(朝日)、「むなしく響く(首相の)『任命責任』」と並んだ。

 読売は「順法精神の欠如」だとするが、これもむなしい。政治家の悪に大小を規定できないとしても、森友・加計問題は、時間稼ぎで宙ぶらりんに逃げているだけで、社会常識としては限りなく黒だ。

 しかも、客観的には官僚体制を動員して、「黒を白」と言いくるめているだけで、大臣の任命権限を有する首相が居座っているのだから、こちらは同じ穴のムジナの親分である。

 辞任した本人が「私の問題で国会が停滞するのは本意ではない」と語った。かたや2年にわたって国会を停滞させた人物が長期政権の記録保持者という次第であって、むしろ潔さが光って! いると言いたくもなる。

 公職選挙法違反も失職だが、国政を恣意的に運営している「背任」(世間の大方はそう思っているに違いない)も大きな罪だ。なにをかいわんや。