論 考

名誉革命の精神を確認した

 英国最高裁が、ジョンソン氏による議会の閉会は違法で無効だと判決した。

 議論する権利をなくし、民主主義の原理にもとり、閉会の合理的理由がない。EU離脱で論議することが山ほどある。なぜ閉会するのかというわけだ。

 「REOPEN」のプラカードを掲げていた人々の勝利だ。

 英国の1688年「名誉革命」は、無血でジェームズ2世の専断を断ち切った。その際「権利章典(Bill of Rights)」に基づいて国制を規定した。議会の権利を確認し英国立憲政治の基礎を定めた。

 これは、宗教改革(1517)、フランス革命(1789)と並んで、欧州を封建制からデモクラシーへと変革した歴史的偉業とされている。

 王が議会の論議をさせず尊重しなかったことに対する無血革命によって、英国は世界のデモクラシー先進国となった。

 ジョンソン氏には、「首相の資格なし」「デモクラシーを見下した」「辞めさせるしかない」という野党の声が高まっている。

 歴史を直視せず、議会を軽視するのは、安倍氏も同じだ。日本では、前述の3つの革命はなかったが、われわれが受け継いでいるデモクラシーは、先人たちの貴重な活動の成果として生まれ育ったのである。

 決して、遠い英国の話ではない。