論 考

中小組合の活性化を追求しよう

 わが国は圧倒的に中小組合が多い。

 ほとんどの組合は非専従役員だけで活動を仕切るから、役員になった人の負担はとても大きい。

 なぜ負担が大きいのかというと、小さい組合の活動モデルが、専従役員を擁する大組合と同じようになっているからだ。ここに注目したい。

 「中小企業が小さな大企業ではない」のと同じように、「中小組合は小さな大組合ではない」のである。

 たとえば大組合では、組合中枢と組合員の距離が極めて大きい。それ自体が結果的に組合役員の官僚化を招く。

 かたや小さな組合であれば、身近な人に一言話して、それが次々に伝播するならば極めて短時間に伝達できるし、役員が1人ひとりの組合員動向を知るのもさして手間はかからない。

 わたしが活動した組合では、大方の支部は2000人程度であったが、300人ほどの支部もあった。その支部長は、組合員の動向を知っていることに関して自他ともに認めていた。

 役員が1人で仕事を抱え込むのではなく、身近な組合員に相談して手伝ってもらえばよろしい。専従しているから組合員の「お任せ」意識が発生する。組合専従ではない役員は組合員とまったく同じ立場なのだから、遠慮せず、どんどんお願いすればよろしい。

 小さな組合の独自活動モデルを追求したい。