論 考

G7の注目点

 フランスのビアリッツで開催されたG7では、主催のマクロン首相が事前に共同声明を作らず、さまざまの問題の論議を中心にやると発表していた。

 記事が断片的で目下は内容がよくわからないが、イランのザリフ外相がビアリッツを訪れて、マクロン首相・ルドリアン外相と会談した。また、英独高官とも会談したようだ。

 目に見えた成果らしきものがないが、マクロン首相が果敢に問題提起をし、トランプ氏に代表される「自国ファースト」に対して異議申し立ての姿勢を明確に打ち出したとみられる。

 初参加の英国ジョンソン首相に対する欧州大陸の政治家の評価は低い。その最大の理由は人格性と、世界観にある。

 人格に関して、ジョンソン氏が正直で信頼できると考える欧州大陸の政治家はほとんどいない。だからEU各国のリーダーとの信頼関係はほとんどない。

 氏の世界観は、トランプ流で相変わらず大英帝国時代の妄想にとらわれているというのがもっぱらの評価である。

 日本の新聞は、日米貿易についての記事にのみ関心が集中している感であるが、G7は本来2国間問題議論の場ではない。今後の世界動向にいかなる意義を打ち出したのかという視点で取材してもらいたい。後続の記事に期待する。