論 考

フタをしても臭いものは臭い

 第一検察審査会の不起訴不当議決をうけた大阪地検特捜部が、文書改ざん疑惑などの佐川宣寿氏ら財務省理財局幹部6人と、森友学園への国有地値引き売却8億円に対する背任容疑に関する近畿財務局の4人に対して、再び不起訴とした。大阪地検特捜部は、起訴するに足る十分な証拠がないとした。

 この4か月間の再捜査に本気があったかどうか、極めて疑わしい。

 検察審議会は、公訴権の実行について、民意を反映させ、公訴の適正を図るのが目的である。公文書改ざんにしても、国有地値引き理由の疑惑にせよ、証拠が見つかりませんと安直な結論をするのであれば、検察の存在理由はない。

 とくに、大阪地検は、当初の不起訴相当を表明する以前から証拠調べに熱が入っていないと見られていた。説得力のない再度の不起訴表明である。

 いずれにしても、森友と加計の疑惑が、行政トップの腐敗と官僚の腐敗が深く進行していることを印象付けたことだけは間違いない。