論 考

破壊工作にNO

 1987年12月8日、ワシントンで、レーガン米大統領とゴルバチョフソ連共産党書記長との間で、中距離戦力核INF全廃条約が締結された。戦略兵器50%削減交渉も進展した。

 88年5月から、ソ連がアフガニスタンから撤退を開始。7月18日には、イランとイラクが国連決議を受け入れて8年にわたるイラン・イラク戦争が終わった。

 当時、人類の課題として語られたのは、① 核戦争防止、世界平和の維持。② 貧困の克服。③ 基本的人権、デモクラシーの確立。④ 公害防止、地球環境保全、資源節約――などである。

 30年後のいま、当時より後退している感を拭い去れない。

 INF全廃条約締結から32年、本日、同条約が失効した。今年2月、トランプ氏が破棄通告したことによる。

 日本政府は、アメリカの軍事力の部分勢力として、軍事力増強を続ける。経済・財政への負担が拡大している。

 日米首脳の個人的関係がよろしいのが自慢らしいが、トランプ的世界秩序破壊工作に対して追従するのみだ。

 権力維持に狂奔する政治家を駆逐しなければ世界は危うい。