論 考

屈従的日米地位協定でいいのか

 日米地位協定は1961年1月19日に締結された。

 今回、米軍の基地外事故に関して一部改正された。事故発生の場合は日本側の立ち入りが迅速かつ早期におこなわれるというものだが、ただし、米軍の同意が必要というのだから、手放しで改正されたと理解するのは無理だ。

 周知のように日米地位協定は、諸外国と比較しても、米軍に幅広い特権を認めている。事故を起こしたときだけの問題ではない。全面的に再検討するのが筋だ。国会での基本的な論議をしてもらいたい。

 同盟というならば、国と国との関係は本来対等であるべきだ。いまの地位協定では、米軍の行動は全面的に治外法権扱いになっているのと同じである。

 日米同盟といえばほとんど思考停止状態になっている現状は、国としての自立性が感じられない。いわば、日米同盟という枠組みで、憲法まで変えようというのが自民党の動向である。

 自民党お得意の押し付けられた憲法論はどこへ行ったのか。押し付けられたのでは嫌だから、当方からお宅さまの趣旨に合わせたいというだけである。まるで占領時代へ全面的に戻りたいようにみえる。

 これが自民党の愛国心の発露だとすれば、なにをかいわんや。