論 考

民主で基軸固めよ

 枝野氏と玉木氏が会談した。議会での論議を協力してやろうという内容であったらしい。

 衆議院では、議席が自民党285+公明29=314。立憲民主70+国民民主39=109。参議院では、自民113+公明28=141。立憲32+国民28=53。数では、立憲・国民はきっちり少数派である。

 議員数で質問時間が割り振られるから、いかに的確な質問戦略を立てるかが問われる。少数派の力をいかに結集するか。誰でも考えることだ。

 このような事態にあるのは、民主党時代から、いや、もともとわが国の無産政党はゼロから出発したのだが、最初から同士討ちの悪癖があった。こんな伝統はさっさと捨ててもらいたい。

 いかにして党内外の意見をまとめあげていくか。政党活動の行方はこの一点に絞られる。とくに、いまの議会はまともな質疑がおこなわれていない。これ、多くの国民が十分に認識して、うんざりしている。

 わが国がデモクラシーの制度になって74年になるが、少し勉強して現実をみれば、その内容はかなりお粗末である。議会政治は、きっちりデモクラシーの基盤に立っていなければならない。

 立憲民主党も国民民主党も、共通する「民主」を、お互いに共感・共有しているのだろうか。政策論議を実らせるためには、異論が発生した場合、どの地点からズレが生じたのか、もとの地点まで戻ることが大事だ。

 そもそも枝野氏・玉木氏が会談したことがニュースになるのがおかしい。ニュースにならないくらい頻繁に意見交換するべきだ。実際、ニュースになっても小さな扱いであり、国民の注目を集めていない。

 デモクラットであれば、しかも、政治家であれば、いまの日本的デモクラシーのふがいなさを悲憤慷慨すること人後に落ちないはずだ。