論 考

愛国人士の本音!

 英国の次期首相になりそうだとされるジョンソン氏には、「本当の悪党か、不良ぶっているのかはわからないが、真実を軽蔑する姿勢であるから、モラルが欠如しているのは疑いない」という痛烈な批評がある。

 米国のトランプ氏は、それに加えて虚言癖の巨頭である。

 これが、かつて「パックス・ブリタニカ」といわれた国と、20世紀以来「パックス・アメリカーナ」といわれた国の、目下、政治的代表選手である。

 安倍氏的性質も米英二巨頭の雰囲気と親和性が高い。にもかかわらず、報道によると参議院議員選挙の下馬評では与党が優勢らしい。不思議千万である。

 1902年(明治35)、日英同盟を結んだときには、玉の輿に乗った心地がして提灯行列で祝った。次は1951年、日米安保条約を結んで現在に至る。

 封建時代には「弱きを助け強きをくじく」精神が尊重されたが、いまや完全な死語だ。恰好などはどうでもよろしい。虎の威を借る狐とそしられようが、腰巾着とあざ笑われようが常に強者にしがみついてわが身の安泰を図る。

 このような積極的平和主義! を皆さまが外交的成果だとお考えなんだろうか。「ニッポン、チャチャチャ」程度の愛国人士ばかりだとは思いたくないが——