論 考

ホルムズ海峡有志連合の危惧

 アメリカのイランに対する動きを見ていると、イランとの核合意離脱が正しいことを立証するために、次々に緊張を高める手立てを講じている。

 先の石油タンカーの爆破工作について、国連はまず徹底調査をやるべしとしたが、その後の報道を見る限り調査が進展していない。

 ホルムズ海峡でのタンカー護衛の有志連合の呼びかけは、さらに緊張を高める方向に進む布石だ。

 11日、民主党大統領候補選挙に手を挙げているバイデン前副大統領が、大統領になれば核合意に戻ると演説した。目下のイランを巡る問題が、トランプ氏の核合意離脱にあるのだから、問題解決の視点として正しい。

 目下のトランプ氏の対イラン路線は、かつてアメリカが北ベトナムに本格的攻撃をかけたときと極めてよく似ている。万一、本格的に戦端を開くことになると、中東地域は大混乱に陥る。さらにそれが第三次世界大戦の引き金になることを危惧する。