日々道楽

イギリスの凋落だけではない

 フィナンシャルタイムズのコラムニストM・ウルフ氏が、英国政治の機能不全について書いている。

 サッチャーの新自由主義が失敗した。パックス・ブリタニカの偉大さ願望(幻想)にのほほんとしている間に、格差社会へ進んで、公的サービスの理想はどこかへ消えつつある。とくに08年の金融危機以来、金権政治傾向が強まった。

 いろいろな原因らしきものを挙げているが、私流に解釈すれば、議会政治先進国のイギリスにおいて、デモクラシーの空洞化が進んだ。その原因は、すべてはうまく運んでいると思い、現実にきちんと目を向けなかったからだ。

 保守党は次期党首を近々選出するが、有力候補とされるボリス・ジョンソンは「真実を軽蔑する」、つまり政治家としてのモラルが欠如している。首相には不適任だ。労働党のコービン氏にも期待をかけにくい。反EUを掲げるファラージ氏は極端なことをしゃべるばかりだ。

 国民諸兄のアパシーが進んだ結果、政治家は目立とうとして空疎なキャッチコピーを乱発する。

 われわれが日々目にしている景色とまったく同じだ。政治的安定などとトンチンカンな分析をしている時ではない。