日々道楽

パックス・アングロサクソニカの終焉?

 18世紀までの世界秩序は、「パックス・ブリタニカ」と言われた。やがて20世紀、第一次世界大戦をはさんでイギリスの凋落は著しかった。

 イギリスでは、「パックス・アメリカーナ」の到来を認識しつつ、「パックス・アングロサクソニカ」、つまり英米協調で世界のリーダーシップを取りたいという考え方が強かった。

 第二次世界大戦では、チャーチル首相が政治的リーダーシップを発揮して、イギリスの存在感を示した。

 その後は、誰もが認めるように「パックス・アメリカーナ」である。イギリスが求め続けてきたのは依然として「パックス・アングロサクソニカ」だ。

 アメリカ主導の対イラク戦争ではブレア首相の積極的関与が著しく目立った。後にアメリカが開戦理由としたイラクの大量破壊兵器が存在しなかったために、人心はブレア氏を離れた。労働党ブレア政権は失速し、保守党に政権を渡した。

 駐米大使キム・ダロック氏の秘密公電漏洩問題で、トランプ氏は「われわれはこれ以上大使を相手にしない」(We will no longer deal with him)とツイートした。大使は国を代表しているのだから、大使とdeal(取引)しないのは、英国と取引しないというのと等しい。

 メイ首相も近々辞任するし、大使の任期も迫っている。交代すればどうってことはないという見方もできなくはない。それまでの辛抱というわけだ。

 目先のトラブル処理はともかく、最近のトランプ的アメリカの動きを見ていると、公電漏洩問題は、「パックス・アングロサクソニカ」の終焉を象徴しているようにも思える。

 世界の秩序を考えれば、イギリスに限らず、「アメリカ・ファースト」に無条件でお付き合いするほうがおかしい。