イランが6か国核合意でのウラン濃縮度3.6%を4.5%に引き上げた。一方、核合意を離脱する考えはないとしている。
本日の読売社説は「核の揺さぶりは許されぬ」、毎日は「国際孤立の道を歩むのか」として、とにかくイランにはじっと我慢せよという論調である。
現在の構図をたとえれば、アメリカが核合意を勝手に離脱して、経済制裁を強めるとしたのが問題の発端である。
たとえば経済制裁なるものは、労使関係でいえばロックアウトである。これに対してイランが部分ストライキに入ったようなものだ。
部分ストライキがダメで、ロックアウトが正しいという判断はできない。まして、今回の経緯をみれば、アメリカに責任がある。
もっと厳しくいうならば、アメリカの経済制裁は「水攻め」「兵糧攻め」であって、すでに戦争を仕掛けている。アメリカだけがイランとの関係で貿易を断っているだけではなく、他国がイランと貿易すれば制裁をかけるとするのだから、なおさらえげつない。
日本が、イランにじっと我慢してくれと忠告するのであれば、それから先がどうなるのか、日本としていかなる工夫をするのか明確に道筋を示さねばならない。それを日本政府がやる気があるのか。
いったい、過日安倍氏はなんのためにイランを訪問したのか。これを問うのが日本の新聞の見識というものである。