論 考

強引・傲慢な政治基盤は脆弱だ

 トルコ・イスタンブールのやり直し市長選挙で、先回は次点に0.2%の僅差で当選したイマモール氏(野党の共和人民党CHP)が、今度は9%の圧倒的大差で当選した。

 イスタンブール市では、現在大統領のエルドアン氏が1994年に市長に当選して以来、与党公正発展党AKPが市長を獲得し続けてきた。

 エルドアン氏が選挙に不正があったとして強引に再選挙させたのであるが、エルドアン長期政権の強引で傲慢な政治運営に対する市民の抗議が成功した。

 イマモール氏は市長選挙出馬まで全国的にはほぼ無名であった。予想外の当選に慌てたエルドアン氏がやり直し選挙をさせたので、今度は、改めてエルドアン長期政権に対する批判が明確になった。

 選挙というものは、やはり、大きな意義をもつ。

 こちらでは、自民党が選挙用に、『フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識』なる冊子を配布した。フェイク情報を駆使するご本家が、居直って批判勢力やメディアを叩く。日米同盟は、トランプ流宣伝まで同じ手法を使うところまできた。

 数は多いが、与党が何を恐れているか。まともな1票が恐いのである。