論 考

与党にNO!

 国会で派手な丁々発止の議論があるとしても、そのまま多くの国民が内容を入手して、考えるという理想的な流れができていない。

 しかも、その議会が十分な議論をしていないとなれば、国民の視線が議会に向くわけがない。

 議会論議に国民が関心を示さなければ、政治家としての存在理由が問われているのであるが、これは、まともな政治家を前提した考え方である。

 政治でご飯を食べることにのみ関心をもつ政治家であれば、国民の政治的無関心は非常にありがたい。仕事の内容や質が問われないからである。

 議会の議論をできるだけ避けて、閣議決定と多数決を振り回すことにかけて、いまの政府与党は歴史的に見て突出している。

 今日の社説で、朝日は「問われる政治の機能不全」、毎日は「(政権・与党が)議論封じた責任は大きい」と問題を指摘している。

 政府与党の政治・議会運営は、まちがいなく――他者の介在を許さず――の方針である。議論を封じた責任など顧慮していない。

 国民は、さまざまな見識・意見をもっているが、それに対する真摯な態度がないのが、政府与党である。

 参議院議員選挙は、1つひとつの政策の検討がもちろん大切であるが、最大の争点は、衆愚政治の舵取りをして平然としている政府与党に対して、NO! の鉄槌をお見舞いできるかどうか。

 与党への投票を拒否する国民的意思を示したい。