日々道楽

政治権力を統御するのは世論

 政党が多数を得て政権を掌握し運営するのが政党政治である。現代の民主政治は国民が政党を選択して議会政治を委ねる。不都合があれば政権は他党に移動させるという建前である。

 「世論こそが法を生み、法の変更をするためのもっとも有力な要因である」(ヴィノグラドフ 1854~1925)に代表されるように、これが19世紀からデモクラシー政治を形成する手段とされてきた。

 これに対してカール・シュミット(1888~1985)は、「議会主義と民主主義はお互いに不可欠の関係ではない。民主主義は独裁の対立物ではない」という重大な指摘をした。

 たまたま多数党が民主主義のなんたるかを十分に弁えない政治家を領袖に担いで、なおかつ、政権を維持することだけを目的化して行動するならば、民主主義において独裁が発生する可能性は十分にある。

 世論が、政治権力のなんたるかについて、常に念頭において発言し行動する国民によって形成されなければ、民主政治は維持できない。

 世論とは、1人ひとりである。