論 考

官僚主義でなく人間主義で行こう

 現代の組織機構は、官民いずれも官僚制で運営されている。

 メンバーが与えられた役割機能を発揮するから官僚制機構はうまく動く。機構を通じてやることが組織的・社会的に好ましいものでない場合、メンバーは、「やるべきか・やらざるべきか」の矛盾に直面する。

 自分は官僚制機構の一員なのだと割り切れば簡単である。一方、機構の一員である前に一人の人間である。メンバー諸君が一人の人間であることを無視するようになると、組織的・社会的な後退が始まる。

 いまの日本の組織機構を見ると、官民いずれのメンバーも官僚制機構に対する問題意識がないままに歩んでいるように見える。

 組織機構の各部門のリーダーは、くれぐれもオツムを官僚主義の塊にしないように、「立ち止まって考える」人であってほしい。