論 考

危険を知りつつ、なぜ放置したのか?!

 米軍公表のイランのボートがコクカ・カレイジャスから爆発物装置を外しているという映像は、単純には信じられない。

 タンカーが攻撃されたとの報告は、ハメネイ師と安倍氏の会談最中であったらしい。これで、会談では平和を語ったハメネイ師が、終了後直ちに「トランプ米国は信用できない」と表明した理由がわかった。

 米国は「安倍氏と会談しているのに(日本船を)攻撃したから、安倍氏に対する侮辱だ」とコメントした。

 しかし、タンカーの国華産業社長は、「乗員が飛来物を目撃した」、「船籍はパナマ国旗だから日本船だと思ったのではなかろう」と語った。

 安倍氏のイラン訪問を利用して、イランに対する国際的評価を落とすための脚本だと考えるほうがすっきりする。これはイランがやることではなかろう。

 なぜなら、イランはじっと耐えている。わざわざ批判を食らうことを覚悟して、緊張を高めるわけがないからだ。それでは自爆行為である。

 国連安保理も、ただちに米国のイラン証拠説を採用しなかった。攻撃事態は非難したが、なによりも徹底調査が必要としたのは正しい。

 ついでにいえば、親しい同盟国! 日本のタンカーが狙われているのを知りつつ、なぜ米軍は直ちにタンカー乗員に対して連絡しなかったのだろうか。薄情である。どうしても、トンキン湾事件が頭を離れない。

 わが新聞の論調が気がかりだ。