2015年、イランと米英仏中ロ独の6か国が核合意を結んだ。これは明るい方向であった。しかし、トランプ氏が18年に一方的に離脱して、イランと取引のある企業に制裁を科すなど緊張を高めてきた。
今年5月にはペルシャ湾周辺へ空母、B52爆撃機を配備した。その12日、UAE東部150km沖合で、ノルウェー、UAE、サウジのタンカーが仕掛けられた爆発物で一部損壊した。航行に障害はなかった。誰が仕掛けたのか不明なままである。
アメリカは、イランの仕業だと証拠もなく吹聴した。それと同じ程度、アメリカの諜報機関などがやったとの憶測も成り立つ。(5/30 本欄参照)
安倍氏がイランを訪問して、とにかく武力衝突にならないようにしたいと語るが、昨年の核合意離脱以来、緊張を高めているのはアメリカである。「なにをされても我慢しなさいよ」と説得するのだろうか。
イランは40年にわたる制裁に耐えてきた。トランプ的恫喝に屈するような性根ではないだろう。
アメリカの意を連絡するのではないとすれば、アメリカとイランの仲介をすることになるが、仲介に値する提案があるのだろうか。あるいは、次はイランのメッセージをトランプ氏に届けるだけなのか。
どうせやるなら、いちばん親しくしているトランプ氏が核合意に戻るように説得してみてほしい。