論 考

議会政治を復旧するために

 今日の朝日社説は、衆議院84日、参議院58日にわたり、予算委員会が開催されていないことを指摘した。会期末は6月26日である。

 野党は衆参共に委員会開催を要求しているが自民党が応じない。

 トランプ氏が国賓として25日から26日日本に滞在する。この間政府は、徹底的「おもてなし」攻勢をする。大相撲観戦・宮中晩さん会・新天皇皇后と会見、ゴルフ、ついでに空母に改修する加賀にも乗艦するらしい。

 日米貿易協議における心証をよくしたいという商才であり、小才でもあって、まあ、不平等条約をなんとかしたいと大奮闘した鹿鳴館の故事もあるが、いかにも知恵がない。

 ところで、議会活動よりも行政活動を優先するというのが大義になるのであれば、すでに議会の存在理由はない。この間、議会で質疑をしてもまともに応えなかったが、現状はさらに悪化している。

 このままでは、選挙で多数を集めれば、政府与党が何でもできるということになり、議会政治の死滅に向かう。無頼漢の徒党と変わらない。

 国民の対処策としては、すべての選挙で、いまの与党を減らして乱暴な政治ができないように基盤整備する必要がある。野党が頼りないなどと批判する暇はない。