日々道楽

デモクラシーの問題を解決するには

 かつて普通選挙権獲得運動があった。1890年代末に運動が起こり、1925年に、男性のみ実現した。女性の参政権は、1945年12月の総選挙が初めてであった。

 参政権を獲得すれば、政治の未来を拓けると考えたから普選獲得運動が高揚した。この運動の機運を盛り立てた背景に、いわゆる大正デモクラシーがある。しかし、庶民の間に芽生えたデモクラシーは、強権政治に抑圧された。

 1925年から敗戦までの20年間の首相は18人。1人当たり任期を平均すれば1.1年でしかない。

 この期間は、日本が戦争に突き進んで、ますます身動きが取られなくなった。戦争の原因が、国内政治の蹉跌にあると考えておくべきである。

 21世紀に入ってからの19年間の首相は8人。1人当たり任期は2.3年になるが、この間の政治が安定しているであろうか。空々しい言葉が多発されるだけで、内政・外交ともに見るべきものがない。

 昔は国内政治が行き詰って対外侵略に活路を求めた。いまは、当時とは異なって生活が底上げされているから、身動きが取られないというようには見えないけれども、国民生活に密着した問題はすべて先送りしている。

 政府・与党は先送りの手練手管だけが巧になった。政治技術者は、いわば広告代理店の社員みたいなものだ。

 韓国の文在寅大統領は、平凡な人々が自らの尊厳に基づいて政治を自らのものにするために、「デモクラシーの問題を解決するのは、たくさんのデモクラシーをおこなうことだ」と主張している。平凡な言葉だが含蓄がある。