論 考

道化芝居

 ニーチェ(1844~1900)は『ツァラトゥストラ』で、「人間の偉大は自己目的ではなく、橋であることだ」と書いた。わたしはこの言葉が好きだ。

 「guess bridge」を架け損ねたのが塚田某で、会見で記者が「辞任も忖度か?」と聞いたらしい。質問に技あり。

 本日の読売社説は、抜群に塚田某をとっちめているが、世論の矛先が本丸に及ばぬように、本人を徹底して叩くという魂胆が見え見えだ。

 ニーチェはとても鋭い言葉を残した。

 政治家的偽善の典型は、国民に命令するものが服従者を装うと切り込んだ。「わたしは奉仕する。あなたは奉仕する。われわれは奉仕する」というトリックである。

 劇場政治といわれて久しい。幕間ピエロのような弁舌には飽き飽きしましたね。