論 考

大詰めの大詰め

 3月27日、英議会で示唆的投票(indicate vote)という聞きなれない投票がおこなわれた。EU離脱について今後の方向が8案提出され、それぞれについて投票した結果、過半数に到達したものはなく、すべて否決された。

 否決されたものの投票数が多かったのは、

 再度国民投票をおこなう 賛成268対反対295 否決

 関税同盟に留まる    賛成264対反対272 否決

 メイ首相は辞職をかけて3月29日に3度目の採決に臨むというが、採決できるかどうかも目下は流動的だ。

 一方、EU離脱中止を求めるネット請願が580万筆を超えた。10万筆を超えると議会で審議する規則なので、政府は4月1日に審議するとした。

 依然として混沌としているが、このまま策なしで進めば、4月12日に合意なし離脱という日程である。

 しかし、合意なし離脱に反対する議員は多数派なので、再度の国民投票、総選挙のいずれかで再度民意を問う動きへ傾くかもしれない。

 この混乱は、議会主義と民主主義が突っ張って、独裁にはさせないというデモクラシーの見本のようにも見える。