論 考

生活中心の経済へ

 チェーンストア参加の小営業者に対する、大資本の本部による専制的な支配が話題である。

 資本主義経済の歴史をみれば、まあ、不思議なことではない。資本集中が大きくなると、大資本家は小資本家を押しつぶす。つぶされる小資本家は労働者に転落するという構図だ。

 それを知っているから、中小企業の労働組合で働く人たちは、「低賃金」「休めない」「長時間労働」の三拍子にも耐えているのであろう。

 しかし、いかに資本が集中して大企業が繁栄しているように見えても、それは供給サイドだけの話だ。国民生活が円滑でないような状況が継続するならば、国の経済はどんどん力を失っていく。

 人々の生活、需要サイドの健全さを回復させねばならない。

 世界経済の悪化が懸念される。資本主義はもちろんしっかりした企業が支えるわけだが、企業活動だけ、つまり企業の利潤だけを見て判断していると、やがて動きが取れなくなることを、わたしは心配する。