論 考

外交力が問われる

 北朝鮮が北西部の東倉里(トンチャリ)の西海(ソヘ)衛星発射場でミサイル発射場を復旧させている(のではないか)という「38ノース」の調査結果が公表された。

 目下は、米朝首脳会談で、核実験やミサイル発射はしないことが確認されているから、北朝鮮の動きが事実だとしても、直ちに以前の状態へ戻そうというのではなく、アメリカに対して、今後の交渉進展を促すのが目的であろう。

 韓国は北の経済回復のための準備を進めてきた。

 日本は、拉致問題一本鎗でなんらの意思表示もしていないだけではなく、制裁論からまったく踏み出していない。

 米国がいうFFVD(Final Fully  Verifiable  Denuclearization)、「最終かつ完全・検証可能・不可逆の非核化」のコピーを掲げたままで、具体的な交渉を進めるプログラムを米朝間で合意できなければ、何も動かないのは当たり前である。

 北朝鮮が核とミサイルにこだわったのは米国を交渉のテーブルにつけるためであったことはすでに明確である。

 今後の交渉のプログラム作成に着手しなければ元の木阿弥だ。事態を進展させるために米日韓が一歩踏み出すべきだ。

 問題解決のために、日本も米国の背後で強硬論をぶつだけではなく、青写真をきっちり作成しなければならない。