論 考

隠す意図を隠す意図!

 厚労省の統計不正についての特別監察委員会が再度調査した結果を報告した。いわく、

 a 幹部が不正を認識せず、隠蔽の指示をしていない。

 b 担当課段階では、係長が気づいたが放置した。また、課長が認識しつつ何もしなかった。

 c たまたま、後任課長が統計システム改修に合わせて検査数の処理を改めるように指示したので、発覚した。

 そこで、委員会の報告は、

 a) 幹部が統計に対して無関心、統計に対する意識が低い。

 b) 担当課段階で綿密な(隠蔽・虚偽工作の)打ち合わせや準備の形跡がないので、怠慢である。

 要するに、「事実と異なる虚偽の説明をしたけれども、隠す意図までは認められない」とするのである。

 しかし、虚偽を認識しつつ放置するとか、さらに虚偽の説明をすれば、隠す意図があったと判断するのが社会通念である。

 仮に、怠慢説を取り、各人の連絡体制がまったくできていなかったのであれば、根本から仕事をする体制がないことになる。

 仕事を真っ当におこなう体制がないことは、仕事をしていないのに、しているふりをしているのだから、もっと大きな隠す意図あり、隠蔽工作である。

 加えて、特別監察委員会の意図は何なんでしょうねえ。