論 考

馴れ合い記者会見

 官房長官記者会見で質問する東京新聞記者に、会見を仕切る報道室長が頻繁に「簡潔に」など質問を妨害するような態度を示し、質問内容について、事実を問いただしているのに、事実誤認などの難癖をつけた。

 質問者が少数派だとみると、「あんた、そんなことも知らないのか」とか、わざと素っ気なく、あるいはつっけんどんな応対をするというのは、昔から、議会でも政府答弁者が駆使! した方法である。

 ここまで露骨になったのは今度の安倍内閣において著しいが、以前から、ある種の阿吽の呼吸とか、馴れ合い的雰囲気が醸成されていたから、基本に忠実に筋を立てて質問されると面倒くさいわけだ。

 第一に批判されるべきは、もちろん答弁する政府側の問題であるが、いつの間にかここまで酷くなったのは、従来の記者会見が馴れ合い的になっていたという事情をも意味している。

 質問するすべての記者諸君のジャーナリズム精神を期待する。