日々道楽

嘘と長期政権

 長期政権はよろしくない。

 1964年11月9日から1972年7月7日まで、首相は佐藤栄作氏であった。人事の佐藤といわれ、いかにも官僚出身者らしい手堅さで、政府・党の人事を掌握したが、氏の陰険な性質が次第に人々の嫌気を誘った。

 ただ、堂々と嘘をつくというタイプではなかった。もちろん、後々に露見するような隠し事はあったが——

 自民党大会で安部氏が「自衛隊の新規隊員募集に協力を拒否している都道府県が6割以上ある悲しい実態がある」と吹いた。嘘でしょう。この人は嘘で長期政権を作っている。

 人々がわれもわれもと自衛隊に馳せ参じなければならない事態があるのか。

 国の力というものは、人々が日々の生業を通して社会の一員であることを確信できることだ。国民挙って兵員たる気風にならざるを得ないような国は、まちがいなく国が乱れている。

 米国民主党の次期大統領に手を挙げたエイミー・クロブシャー女史が、自分は「不快にならずに異議を唱えることができる」と語っている。地味だが、非常に含蓄のある言葉だ。

 そこで、わたしもそれに倣って冷静に一言したい。安倍氏発言には、「徴兵制」の本音が飛び出したと指摘しよう。