論 考

形式は外部でも、意識は内部

 統計不正問題への批判が集中している。

 読売は本日「信頼回復へ国会は役割果たせ」と社説を書くのだが、ことは行政の問題である。

 国会では野党が真っ当な批判をしているが、例によって安部氏に本気が感じられない。読売は「信頼回復へ政府=内閣は役割果たせ」とするべきである。

 さて、問題をますます悪化させたのは、特別監察委員会が再聴取に当たって、厚労省の人事課長を同席させたことにもある。

 監察医は有識者8人で構成されていて部外者という体裁であるが、委員長は長年労働行政で厚労省の政策を担ってきた学者であって、ほとんど厚労省内部の人と変わらない。

 御用学者などと言いたくはないが、長年の染みついた意識習慣というものは外部の公正中立という見方とは全く異なる。

 それが信頼回復のための第一歩の監察の仕事で安直な感覚をもたらしたとしか考えられない。