論 考

日韓防衛摩擦が意味すること

 日韓防衛問題の混乱が続く。

 大きな背景には、依然として日韓関係は1945年までの両国関係のしこりが残っていることだ。

 政治家が国民感情を無視できないのが当然だと考えれば、日本が文大統領を単純に批判できない。

 国民感情という面からみると、今回の防衛摩擦の処理を大きくしたのは安倍首相である。文氏が国民感情を利用していると批判はできない。

 それはさておき、武力で国の安全を守るという構図が、いとも簡単に不安定になるという事実を指摘したい。

 日韓いずれも、自国の安全保障のために武力を切磋琢磨しているわけで、攻撃するためでないという理屈であるが、ちょっとしたきっかけで、武力自体がさらなる摩擦を発生させる。

 まして、政治家が徹底した平和戦略を持ち合わせていないがために、たまたま摩擦が顕在化すると容易に解消できないという現実である。

 シビリアンコントロールなるものが機能していない。