論 考

これを組織的隠蔽と言うのである

 毎月勤労統計不正について厚労省の特別監査委員会が報告書を発表した。

 いわく、担当者が不正を認識しつつ踏襲していた。不正手続きを容認する事務取扱要領は部長が決済した。局長級は報告を受けていたが放置した。

 ところが報告書では「意図的な組織的隠蔽とまでは言えない」と結論する。

 官が率先して言葉を混乱させてはいけない。

 仮に1人ひとりが組織を意識してやっていなくても、担当者、部長、局長級と、これだけ関わっていることを組織的と言うのである。

 個人に意図があるかどうかはどうでもよい。やった結果が組織的隠蔽なのである。公式の報告書で言葉遊びはやめてもらいたい。