論 考

コービン氏の動向は?

コービン労働党提出の不信任案が否決されて、メイ首相が信任された。コービン氏が期待した保守党側の謀反が起こらなかった。

 先のメイ首相提案のEU離脱案では謀反した議員が不信任案ではメイ首相支持で結束した。とりあえず総選挙のケースは消えた。

 信任後、メイ首相は「すべての議員と協力して、Brexit実現に努力する。1月21日に対案を出す」とスピーチした。対案といっても、間違いなく大きな変更はない。

 とすれば、離脱案に反対した議員が翻意してメイ首相に協力するか。あるいは再度国民投票に問うように提言するか。

 メイ首相自身は、もともとEU残留派である。だから、なおさら自分が主導権を握って国民投票をやり直すとは言わないだろう。

 コービン氏は「(メイ首相が)合意なしはありえないと言明すべきだ」と主張しているが、自身はEU離脱派である。

 合意なしはありえないと言えというコービン氏が、EU離脱案に反対しておいて、新たな特効薬も提出できないのであれば、無責任と批判される。

 コービン氏もまた追い詰められている。氏が再度の国民投票に踏み切るかどうか。ブレア元首相が国民投票時に、コービン氏に対してEU残留で動けと提言したこともあったが——