論 考

青空

 見上げると、明るい真っ青な青空で、見渡す限り雲ひとつない。東京の正月三が日はいつも快晴で心地よい。今朝の青空はとりわけ爽快だ。

 いつまでたっても学校を出るまで暮らした山陰の空の印象が残っていて、どうしても比較してしまう。もちろん山陰の空もきれいだと感ずる青空があるのだけれど、青の濃さを感ずる。青空なのだが重い印象である。

 湿度が作用して、色が異なって見える。

 昔、色眼鏡を通してものごとを見てはいけないと教えられたが、顧みて、勉強したつもりが、実は偏見を増やしている可能性も高い。

 そうだ、湯川秀樹先生が、「勉強せずには発見・発明はできない。しかし、勉強すると偏見が増える。発明・発見をするためには偏見から飛び出さねばならない」と話された。

 もうひとつ、昔考えていたことを忘れている。おつむのキャパに限界があって、新しいことを知ると、その分、古いことが消えるのだろうかなあ。

 いつの間にか、茫々とした気分になってしまった。呵々。