論 考

お騒がせを評価する

 産業革新投資機構(JIC)と経産省の衝突で、社長ら民間出身の取締役9人が集団退職! した。

 資金規模2兆円を誇るが「JICの再起は期待薄」であると、日経は本日の社説を掲載した。

 官民ファンドといいつつ、その本質は官の言いなりファンドでは仕事ができないという。もっともである。

 直接の引き金は、経産省が当初約束した報酬を一方的に反故にした。これも、雇用者と被雇用者の関係と考えれば、被雇用者が怒ったのは当然である。

 おいしい言葉で釣っておいて、さて、入社してみれば労働条件がインチキだったという事例が昨今世間にはわんさある。

 せっかく入ったのだから、がまんしょうというのが世間一般の働く人の傾向であるが、約束を反故にされて黙っているのであるから、ブラック企業がなくならない。

 さすが官民ファンドに雇用される皆さんである。根性が違う。

 今回の珍事は、ブラック企業に対して「負けるな」という、働く皆さんへのちょっとしたメッセージとも読めますねえ。