論 考

国防というブラックボックス

 自衛隊は現在、戦闘機F35を201機保有している。

 機種更新でF35を42機購入するが、購入費用が5,965億円である。これの維持費合計が使用期間(20年)に2.7兆円かかる。

 そこへさらにF35を100機追加購入するらしい。

 単純に計算すると、1機142億円だから購入費用が1.4兆円、142機の維持費合計は9.1兆円になる。

 「国防」と大声疾呼すれば思考停止になりやすいが、いったい、どんな戦闘を想定しているのか。論議内容がまったく不明だ。

 「課税がおこなわれるのは戦争を遂行するためではなく、税金を取り続けるために戦争がおこなわれる」(『人間の権利』T・ペイン 1737~1809)という言葉が頭に浮かぶ。

 戦争を国防と置けば、そのまま通用するみたいである。

 「国防」論をブラックボックス化したままであるが、米軍の下請け化がどんどん進むことだけは十分に想像できる。