論 考

ローンで首が回らない

 東京新聞によると、防衛省が、防衛関連企業62社に対して、2019年度納品の装備品代金支払いを2~4年延期するように要請した。

 米国の対外有償軍事援助(FMS)に対するローン残高が1.1兆円超。国内外の2019年度支払いローン2兆円、なおかつ新たに2.5兆円のローンが発生する。

 対外軍事援助というネーミングの「おためごかし」もおおいに腹立たしいが、米国の軍事商売のローン漬けになっている日本政府の方針が、わたしは極めて情けない。

 装備をじゃんじゃん購入している結果、自衛隊はその維持整備、訓練に追いまくられているという。買物中毒である。ナンセンスの極みである。

 頭を冷やさねばならない。

 ――課税がおこなわれるのは、戦争を遂行するためではなく、税金を取り続けるために戦争がおこなわれる――と喝破したのは、トーマス・ペイン(1737~1809)の名著『人間の権利(Rights of Man)』(1791)であった。