安倍氏が「国民のために命を賭して任務を遂行する隊員の正当化の明文化、明確化は国防の根幹に関わる」と語った。
まず、いかなる自衛発動の状況を想定しているのか不明だ。
単純に、他国軍隊対自衛隊が「競技的」戦闘をするのであれば、確かに自衛隊員が国民を代表して! 命を賭して闘うということになるが、万一、国同士が戦端を開けば、命を賭しているのは自衛隊員だけではない。
まさに全国民1人ひとりが命を賭すのである。
かつて、自衛隊に勤務された方に「自衛隊が不測の事態に国民を守れると思いますか?」と尋ねた。
氏は「自衛隊員であるわたしが真っ先に死ぬのです」と応じられた。
膨大な軍事費を投入しつつあるが、いまも、自衛隊員が命を賭すという意味は、氏が語られたことと変わらない。
「国民を守る」とは、なんとしても武力衝突をしない外交関係を構築することであって、憲法第9条を骨抜きにすることではない。