論 考

権力=ロボット!

 予想していたけれども、辺野古移設に関する国の問答無用の態度には腹立たしいし、情けない。

 「寄り添う」とは「突き放す」という意味らしい。

 朝日社説(本日)は、「民意顧みぬ国の傲慢」と批判した。その通りなのだが、さて、国とは誰か。

 ここでいう国とは、沖縄県民を突き放す意思決定をした「誰か」であり、その下の官吏は、おそらく何の痛痒も感じずに「粛々と」手続きをしたのであろう。国とは意思決定した人であり、漠然たる国ではない。

 「機構は官僚主義によって運営される。その下では先頭に立ち得る者は、自己存在を放棄した者である」(オルテガ)

 一方的に国の看板において大義名分を振りかざす。「寄り添う」という人間的な言葉には人間の血が流れていない。

 まさしく、自己存在を放棄した者によって、権力が民意に敵対して登場する。十分な合意が得られない場合に、じっくり話し合わないとすれば、それはデモクラシーとは言えない。