論 考

スジを通した人々の力

 沖縄県知事選挙は、当初出遅れていた玉城デニー(康裕)氏が、ぶっちぎりで勝利した。得票目標を40.8万票においていたが、396,632票を獲得したのでほぼ計画達成である。

 この選挙は政府与党の露骨な介入が目立った。人とモノの物量作戦で、さらには各方面に圧力をかけまくった。

 看過できないのは、玉城候補に対する中傷・誹謗・デマ攻撃が猛烈であった。デマのビラやSNSは、公平にみれば、行為者を特定して選挙違反にするべきだが、関係当局にはその気がないと思われる。

 政府与党が基地問題と沖縄振興をリンクさせるのも、厳密にいえば利益誘導である。もちろん、関係者が反省するわけもないであろう。

 庶民は無力だというけれども、政府与党の介入に対して人々がきっちり回答してくれたことに、わたしは沖縄デモクラシーの輝きを見る。