論 考

致命傷

 自民党総裁選が盛り上がらないという。

 昨日の記者クラブ主催の討論会における、安倍べったりの読売新聞H記者の質問である。いわく、

 森友・加計問題について、首相不支持の大きな理由は「首相が信頼できない」ことにあり、非常に深刻な問題だ。「不徳のいたすところ」でお仕舞にしてはいかん。なぜそうなのか、そのために何をなすべきか答えてくれと質問した。

 もちろん、例によって安倍氏は聞く者にとって耳たこ答弁で、答弁になっていない。

 わたしが興味をそそられたのは、H記者は天下周知の安倍御用記者であり、従来の読売新聞の記事のトーンとも異なる質問をわざわざやった(あるいは担当させられたか?)ということである。

 上手に答弁して、これでモリカケはお仕舞の幕引きのために質問したとも思えない。なんとなれば例によって例のごとし答弁で、不信感の上塗りになるのが見えているからだ。

 H記者が御用記者の「尊称」を払いのけたいから質問したとも考えにくい。

 いずれにせよ、モリカケ問題が依然として未解明であり、安倍氏にとっては依然として命取りの傷口である。

 だから、総裁3選になれば、もっと数にモノをいわせる路線が酷くなるであろうことが予測できる。

 自民党はとんでもない神輿を担いでいるわけだ。