経団連会長が就活指針を撤廃する趣旨の発言をした。
実際、いまでも指針が遵守されていない。守られないから止めるというのが本音ではないと思いたいが、まことに昨今の企業は「何でもあり」型になっているのが情けない。
かつてはCSR(Corporate Social Responsibility)だの、企業倫理だのと看板を掲げたものであるが、昨今は本音むき出しみたいだ。
若者にとって就職は社会人になるための重大な階段である。
大人は若者に対して、自分が何をやりたいのかよく考えて選択しなさいというが、選択できる人は極めて少なく、どこかへ潜り込まねばならないという辺りが現実だ。
自分の人生について考えろ、というのは正論だけれども、若者はその自分がいったい何をしたいのかよくわかっていない場合が多い。
それは本人の責任であるけれども、いまの学校は知識詰め込み型で、人生をじっくり考えて基礎的教養を作っていくようになっていない。
産業界を束ねる経団連なのだから、ただ、仕事をさせる人材を集めるというだけではなく、若者が人間として立派に歩み始めるための支援を第一に考えるという見識がほしい。
紳士の恰好をしても、紳士とは限らないのが経団連だといわれても仕方がないではないか。