論 考

大統領の憲法違反

 アメリカ合衆国憲法によると、第1条第8節(1項)に、連邦議会の権限が定められている。

 ――連邦議会は左の権限を有する。合衆国の国債の支払い、共同の防衛および一般の福祉の目的のために租税、関税、輸入税、消費税を賦課徴収すること、ただし、すべての関税、輸入税、消費税は、合衆国を通じて画一なることを要する。――

 一方、第2条で大統領権限が定められており、第1節(1項)に掲げてある。

 ――行政権は、アメリカ合衆国大統領に属する。――

 トランプ氏は、ただいま諸外国との通商において、乱暴かつ強引な措置を次々に打ち出しているが、その権限は連邦議会にあって、大統領権限ではない。

 第1節(8項)に大統領の職務遂行開始前になすべき宣誓が掲げてある。

 「わたしは合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽くして合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う」

 どうも、現在トランプ氏がやっていることは、アメリカ合衆国憲法に違反している疑いが濃厚である。