論 考

法の支配という嘘

 「法の支配」という言葉がある。

 語感からすると、法治国家において、法があればすべてよしというように考えやすい。これが大間違い。

 法律があっても、それに従わない人が事件を起こす。

 何よりも、いまは、政府と官僚が、表面的に法に則っているとこじつけつつ堂々たる違反をやる。

 だから、正しくは「人民の支配」がなければ「法の支配」は成り立たない。

 わが国の人々は、形式と中身が異なっていることについて真剣に考えない。

 つまり、市民(意識)が立派に育たない限り法治国家とはいえない。