論 考

伝統?

 ずっと昔、某大企業の社員保養施設のバーで友人と歓談した。社員保養施設であるが7階建てで宿泊施設もあり、ちょっとしたホテルである。しかも安い。

 先日、そこで勉強会後の小宴をもった。いまは、レストランやバーに一般顧客を呼び込んでいる。建物はよろしい。料理もわるくない。

 ところが接客がぎこちない。固まっている。この部分は大昔の社員保養施設の「伝統」をそのまま引き継いでいる。最大の欠点は、客を見ていない。上から見下ろすという気風である。

 もちろん、目立ったドジがあったのではないのだが、違和感が残った。同社は、官以上に官の見識を掲げていた。その伝統の片鱗を見た思いだ。

 伝統というものは容易に変化しないのですねえ。