日々道楽

日本人論

 金子光晴(1895~1975)という日本人離れ、いや、人間離れした不屈の詩人がいた。ぜひ、皆さまにはお読みいただきたい。

 詩集は、面白く、かつ、刺激が強く、思索を深める特効薬である。

 さて、『どくろ杯』(自伝風 1971)に出てくる一節。

 ――そもそも日本人というものが、1人ずつにするとみんな泣虫で、その泣虫をじっとこらえて意地張り、弱みをみせまいと力みかえって生きている。

 そしてみせかけだけの強さは、権力とか、偶像とか、義理情誼のしがらみとか、すがりつくものがなければ、手もなくがさりとくずれてしまう――

 金子さんは大正時代が青春である。明治人からは骨抜きになったとあてこすられたが、「懐疑思想」を身に着けた時代だと規定する。

 昭和、平成をいかに規定するべきか。